question_answerお問い
合わせ

オリジナリティってなんだろう?? ~ボウイ先生の創作の秘密~

2018年10月1日 その他

こんにちは、デヴィッド・ボウイ名言集の管理人 FURUKAWA です。

さてさて、芸術の秋ですね!
文化祭や学園祭でのライブ、たくさんのお客さんに観てもらえるチャンスです。せっかく機会なのでオリジナル曲を演奏したくなりますよね。

ところが、いざ曲を作ってみると「こんなのでいいのかな?」とか「果たしてこの曲にオリジナリティはあるのだろうか?」というような疑問をお持ちになる方もたくさんいらっしゃると思います。

というわけで、今回は「オリジナル曲」について、ボウイ先生の言葉を交えながらお話してみたいと思います。

-ボウイ先生の創作に関する発言-

それでは、早速ボウイ先生の創作に関する発言をご紹介いたしましょう。

「僕はオリジナリティを信じていない」
「僕はインスタントスター。お湯を入れてかき混ぜておくれ」(=自身が即席であることを示唆)
「自分が尊敬していたり、なりたいと思っているものが憑依するんだ」
「僕は高尚なアートから盗んで、それを大衆レベルまで引き落とそうとするところがある」

などなど、模倣やオマージュに関する発言が数多く見受けられます。

(アルバム「ジギー・スターダスト」の中ジャケ)

ボウイ曰く「映画『時計仕掛けのオレンジ』と昆虫の中間を狙った」とのこと

(アルバム「世界を売った男」のジャケット)

こちらは画家ゲイブリエル・ロセッティのオマージュ

-同業者からのボウイ評-

さらに、ボウイ先生の仲間たちからも

「ボウイの前では新しい靴は履かないぜ」
(=ボウイに新しいアイデアを紹介すると自分より上手にその アイデアを活用してしまうことを暗示)―ミック・ジャガー

「ボウイはターゲットから自分の欲しい成分を吸い取り、さらに次の犠牲者を探す」―イアン・ハンター

というような発言が聞こえます。

つまり、ボウイ先生の創作スタイルは、「モノマネ」的な要素を多く含んでいるようですね。

↑↑ボウイによるブルース・スプリングスティーン、トム・ペティ、トム・ウェイツ、ルー・リード、イギー・ポップ、ニール・ヤングのモノマネ。非常にクオリティが高い(笑)

-ボウイはなぜ唯一無二なのか-

とは言え、「デヴィッド・ボウイ」という存在は、唯一無二ですよね。孤高と言ってもいいくらいです。
それでは、なぜボウイ先生は単なる模倣ではなく、あの強烈な個性を確立できたのでしょう。

その答えは、こちらの発言にあるように思います。

「僕が得意で、心底楽しいと思うのは『もし○○と△△を組み合わせたら』という遊びなんだ。
(以下、ボウイが挙げた組み合わせ)

・ブレヒトとヴァイル(ドイツの劇作家)のミュージカル+R&B
・シャンソン+フィリーソウル
・シェーンベルク(オーストリアのクラシック作曲家)+リトル・リチャード(アメリカのロックンロールシンガー)
・ハギス(羊を使ったスコットランドの伝統料理)+エスカルゴ

うまくいかないのも有るかもしれないが、中には最高の結果をもたらすものも有るだろう」

つまりデヴィッド・ボウイの強烈な個性は、アイデアとアイデアの組み合わせの斬新さによるところが大きいのではないでしょうか。

-オリジナリティはモノマネの積み重ねから-

というわけで、長くなりましたが、オリジナル曲を作るにあたり、はじめのうちはオリジナリティやクオリティにあまりこだわる必要は無いように思います。
もちろん、星の数ほどのアーティストがひしめく音楽業界ですので、ゆくゆくは独自性というものが必要になるでしょう。

しかしながら、そうした独自性というものは、たくさんの模倣や、その組み合わせを考えていくうちに、少しずつ姿を現してくるものなのかもしれません。
むしろオリジナリティやクオリティのハードルを上げ過ぎると、逆に何も生み出せなくなるというジレンマに陥ることも有りそうです。

大切なのは、気楽なモノマネでも良いので作品をまず完成させること。
そして、個性は数をこなすことによって自然と付いてくる、ということでしょうか。

今回も長文にお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、充実した芸術の秋をお過ごしくださいね!

accessibility
この記事を書いた人

insert_drive_file
関連するコラム

デヴィッド・ボウイが引き起こす化学反応 〜ボウイとギタリストを巡る考察〜

その他

はじめまして、ツイッターアカウント「デヴィッド・ボウイ名言集」管理人の古川と申します。 今回は音楽教室のコラムということで、ボウイとギタリストの関係について、スポットライトを当ててみたいと思います。 ロック史に輝く名コンビ 早速ですが、皆さんはロック史上に輝くボーカリスト&ギタリストのコンビというと、どんな方々が思い浮かびますか? ミック&キース、プラント&ペイジ、アクセル&スラッシュ、モリッシー…

2018年6月19日

経済界の偉いさんたちの前でライブをするには

その他

ラジオディレクターの涌井慎と申します。 RenSミュージックスクールと特別深い関係はありませんが、 こうしてコラムを執筆させていただけているというのは、 何かしらの需要があるのだと信じています。信じさせてください。 バンド活動の恩恵 誰も興味ないかもしれませんが、 私はその昔、「ザ☆マジシャンズ」というバンドで歌を歌っていました。 いまでもたまに「マジシャンズ、好きでした」という稀有な方にお会いす…

2018年5月31日

ギター教室(京都西京極)体験レッスンレポート

ギタースクールブログ

先日、京都西京極「スタジオIZ」にて行われた、ギター科の体験レッスンの様子をお届けします。 今回お申込みいただいたのは、アコースティックギターをお持ちの経験者の方。 お話を伺うと、普段コードストロークなどを基本に演奏をされているとのこと。 「アルペジオなど、自分が弾き慣れない奏法を会得したい」 「ずっと自己流でやってきたので、基本から見直してみたい」 そういった想いでお申し込みをいただいたようです…

2018年6月10日

「第2回トライアルセッション」開催レポート

スクールブログ

2019年10月20日(日)に行われた「第2回トライアルセッション」の様子をこちらのスクールブログにて紹介させていただきます。 毎年6月に開催の発表会では生徒様お一人で、他パートは講師が伴奏、1発勝負の演奏なのですが、 トライアルセッションではもっと気軽にバンド・アンサンブルを楽しんでもらおう! という企画です。 第1回の模様はこちら http://rens-music.com/2019/01/「…

2019年10月25日

ラジオとライブと守破離と部屋とYシャツと私。

その他

はじめまして。涌井慎と申します。 いまのところ、RenS(レンス)ミュージックスクールとは何の関係もありませんが、このコラムを通して、少しずつ関係を築きあげていきたいと思います。 よろしくお願いいたします。 ラジオと私。 まず、私が何者なのか?というところからお伝えせねばなりませんね。 私はエフエム京都(α-STATION)というラジオ局で、ディレクターをさせていただいています。 ラジオ番組を作っ…

2018年2月8日

無料体験レッスン、続々お申込みいただいています!

スクールブログ

こんにちは。RenSミュージックスクールの斉藤です。 この5月にサイトをオープンしまして、ありがたいことに早速無料体験レッスンのお申込みをいただきました! 当スクールの無料体験レッスンの雰囲気を知っていただくために、こちらのスクールブログで紹介をさせていただきたいと思います。 今回、サックスでの無料体験レッスンのお申込みをいただいたのは、楽器に全く触ったことのない、サックス初挑戦の方。 「全くやっ…

2017年5月5日

ドラム教室(京都河原町)体験レッスンレポート

スクールブログドラム・パーカッション

先日、京都河原町「T’Sスタジオ」にて行われたドラム科の体験レッスンの様子をお届けします。 今回お申し込みいただいたのは、「ほとんど触ったことないけれど、ドラムをやってみたい!」という女性の方。 やはりドラムは「やってみたい!」という魅力を持つ楽器ですよね。 自分自身でリズムを叩き出す快感は、一度味わえばはまってしまう方が多いように思います(笑)。 さて、今回の担当は佐藤香里先生。 自身のバンド「…

2018年5月10日

「第1回トライアルセッション」開催レポート

スクールブログ

先日行われた、「第1回トライアルセッション」の様子をこちらのスクールブログにて紹介させていただきます。 ******* 音楽レッスンに通っていても、なかなか自分でバンドを組むのは難しかったりするもの。 特に、社会人になってからバンドを組もうと思っても、気が合う人、スケジュールが合う人、そして音楽の趣味が合う人、それを各パート毎に揃えるわけですから、やはり少しハードルが高いように思います。 とはいえ…

2019年1月25日