ラジオディレクターの涌井慎と申します。
RenSミュージックスクールと特別深い関係はありませんが、
こうしてコラムを執筆させていただけているというのは、
何かしらの需要があるのだと信じています。信じさせてください。
マンピーの意味は広辞苑には載ってません
私の趣味嗜好なんぞ、誰も興味はなかろうと思いますが、
私、昔からサザンオールスターズと桑田佳祐さんのことが大好きです。
ちょっとエッチな歌詞があったりするので、
多感な中学生の頃は、その言葉を広辞苑で調べたりしたものです。
音楽エリートが教科書に載っているビートルズのLet It Beの和訳を
調べていた頃、私は「マンピー」の意味を辞書で調べていたのでした。
残念ながら「マンピー」は広辞苑に載っていませんでした。
好きなように解釈したい
別に「マンピー」について書きたいわけではありませんが、
私は今でもサザンオールスターズの「マンピーのG★SPOT」を聴くと、
広辞苑を開いていたことを思い出します。
また、桑田佳祐さんのアルバム『MUSIC MAN』に収録されている
「古の風吹く杜」という曲が私はとても大好きなのですが、
このアルバムがリリースされたのは2011年の2月です。
発売から数日後に東日本大震災が起きました。
私的なことで恐縮ですが、一か月前には長男が予定より三か月も早く産まれ、
1000gに満たない未熟児だったため、
リリースされた頃は病院の保育器のなかにおりました。
「古の風吹く杜」は鎌倉の景色をモチーフにした曲ですが、
この曲を聴くと、そんな頃のことが思い出されます。
アーティストにリスペクトを抱くあまり、アーティストの思いに添うべく、
意図まで汲もうとするのがファン心理かもしれません。
「誰の何という曲は実は〇〇という思いが込められていた」
SNSでは こうした事実がアップされ、拡散され、その事実を知っていることが、
よりファンであることの証のようになってしまいがちです。
しかし、せっかく心に響く名曲なのに、
イメージまで、限定させてしまうのはもったいないと思うのです。
西院とSign
ミュージシャンが発信した曲は、
発信された時点で、ミュージシャンのものではなく、受け取った側のものです。
(もちろん、これは「著作権云々」という話ではありません)
その作品について、何を思い、何を感じたか?は人それぞれであっていいと思うんです。
だからこそ、私たちラジオ番組の制作者は曲で遊ぶことができます。
例えば、西院のお店を紹介したあと、
ミスターチルドレンの「Sign」を流してみたりする。
作り手の思いに寄り添うばかりが「リスペクト」ではありません。
西院から「Sign」のような、くだらないダジャレであっても、
その“セット”によって記憶に残りやすくなったりするものです。
知りませんけど。
ラジオでは 割とそういう“遊び”がさりげなく、
散りばめられていますので、
そのあたりも楽しんでいただけたら嬉しいなと思いつつ、
結局ラジオの宣伝かい!という声が聞こえてきそうですが、今回は失礼します。
そんな私の思いも、届いてくれるといいな。