こんにちは、デヴィッド・ボウイ名言集の管理人 FURUKAWA です。
さてさて、芸術の秋ですね!
文化祭や学園祭でのライブ、たくさんのお客さんに観てもらえるチャンスです。せっかく機会なのでオリジナル曲を演奏したくなりますよね。
ところが、いざ曲を作ってみると「こんなのでいいのかな?」とか「果たしてこの曲にオリジナリティはあるのだろうか?」というような疑問をお持ちになる方もたくさんいらっしゃると思います。
というわけで、今回は「オリジナル曲」について、ボウイ先生の言葉を交えながらお話してみたいと思います。
-ボウイ先生の創作に関する発言-
それでは、早速ボウイ先生の創作に関する発言をご紹介いたしましょう。
「僕はオリジナリティを信じていない」
「僕はインスタントスター。お湯を入れてかき混ぜておくれ」(=自身が即席であることを示唆)
「自分が尊敬していたり、なりたいと思っているものが憑依するんだ」
「僕は高尚なアートから盗んで、それを大衆レベルまで引き落とそうとするところがある」
などなど、模倣やオマージュに関する発言が数多く見受けられます。
(アルバム「ジギー・スターダスト」の中ジャケ)
ボウイ曰く「映画『時計仕掛けのオレンジ』と昆虫の中間を狙った」とのこと
(アルバム「世界を売った男」のジャケット)
こちらは画家ゲイブリエル・ロセッティのオマージュ
-同業者からのボウイ評-
さらに、ボウイ先生の仲間たちからも
「ボウイの前では新しい靴は履かないぜ」
(=ボウイに新しいアイデアを紹介すると自分より上手にその アイデアを活用してしまうことを暗示)―ミック・ジャガー
「ボウイはターゲットから自分の欲しい成分を吸い取り、さらに次の犠牲者を探す」―イアン・ハンター
というような発言が聞こえます。
つまり、ボウイ先生の創作スタイルは、「モノマネ」的な要素を多く含んでいるようですね。
↑↑ボウイによるブルース・スプリングスティーン、トム・ペティ、トム・ウェイツ、ルー・リード、イギー・ポップ、ニール・ヤングのモノマネ。非常にクオリティが高い(笑)
-ボウイはなぜ唯一無二なのか-
とは言え、「デヴィッド・ボウイ」という存在は、唯一無二ですよね。孤高と言ってもいいくらいです。
それでは、なぜボウイ先生は単なる模倣ではなく、あの強烈な個性を確立できたのでしょう。
その答えは、こちらの発言にあるように思います。
「僕が得意で、心底楽しいと思うのは『もし○○と△△を組み合わせたら』という遊びなんだ。
(以下、ボウイが挙げた組み合わせ)
・ブレヒトとヴァイル(ドイツの劇作家)のミュージカル+R&B
・シャンソン+フィリーソウル
・シェーンベルク(オーストリアのクラシック作曲家)+リトル・リチャード(アメリカのロックンロールシンガー)
・ハギス(羊を使ったスコットランドの伝統料理)+エスカルゴ
うまくいかないのも有るかもしれないが、中には最高の結果をもたらすものも有るだろう」
つまりデヴィッド・ボウイの強烈な個性は、アイデアとアイデアの組み合わせの斬新さによるところが大きいのではないでしょうか。
-オリジナリティはモノマネの積み重ねから-
というわけで、長くなりましたが、オリジナル曲を作るにあたり、はじめのうちはオリジナリティやクオリティにあまりこだわる必要は無いように思います。
もちろん、星の数ほどのアーティストがひしめく音楽業界ですので、ゆくゆくは独自性というものが必要になるでしょう。
しかしながら、そうした独自性というものは、たくさんの模倣や、その組み合わせを考えていくうちに、少しずつ姿を現してくるものなのかもしれません。
むしろオリジナリティやクオリティのハードルを上げ過ぎると、逆に何も生み出せなくなるというジレンマに陥ることも有りそうです。
大切なのは、気楽なモノマネでも良いので作品をまず完成させること。
そして、個性は数をこなすことによって自然と付いてくる、ということでしょうか。
今回も長文にお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、充実した芸術の秋をお過ごしくださいね!