RenS Music Schoolの
ボーカル科、ピアノボーカル科、ピアノ科、キッズピアノ科、キッズボーカル科、
及び、肩書きがなんか長くない科?
これらを担当しております講師の後藤です。
私めの初のコラムは
「声の引き出しを増やしてはみませんか?」
というお話です。
腹式呼吸の欠点
さてさて。
ボーカルレッスンでは当たり前のように学びがちな腹式呼吸。
自分が現役でシンガーソングライターを続けながら
講師業を学ばせて頂くうえで
「腹式呼吸をすると、うん、個性は確実になくなるなぁ。」
と、感じるのです。
「………いやいやいや、ちょっと待って!
あんた講師やろ?
そんなこと言ってもいいの?
ほんなら腹式呼吸は要らんのん?」
と、言うのは
しばしお待ちくださいね。あらあらまぁまぁ。
例えば、お芝居を観に行くと必ず演者がいらっしゃいますよね。
大きなホールでは声を最大限に生かし演技するくらいが
心えぐられ良いケースもたくさんあります。
が、極々ありふれた会話を演技する際
同じような表現をしてしまうと恐らく仰々しくなってしまいます。
ドラマでミュージカルのような太い声を
俳優さんがずっと出し続けられたら
どう思われます?
「そこでそんな声いらんねん。もっとなんか表現の仕方あるやろ。」
と、ならないでしょうか?
腹式と胸式の使い分け
声も一緒で
曲の中に緩急をつけたいとします。
腹式呼吸の力強さと胸式呼吸の繊細さを
両方併せ持ち、コントロールして表現出来る技術を携えたならば
それはそれで声の輪郭が色々出て面白いよってことなんです。
因みに、声の大きさやロングトーンなどは
腹式呼吸をしながら「丹田」というツボを使うのですが
そちらを説明するとしこたま長くなるのでまた別の機会に。
たまーにですが
講師の中には腹式呼吸が大事だ!
胸式呼吸は良くない!
と、白黒はっきり付けたがる人間がいます。
そういう方に限って
喉をしっかり開けるということを重要視して
教えていなかったりするんですよ。笑
(腹式呼吸だけ完璧に出来ていれば良いんだぜってものでもないのです。
ここは割と一般的に誤解しがちなポイントです。)
胸式呼吸は身体の支点が上半身にいきやすく苦しくなることと
持続性がないのが欠点で
ちょい出しくらいなら
良い武器にもなり得ます。
大切なのは使用時のバランスで
声を届かせたいならば
脱力、歌う際の重心を下半身に置く、
口の開き方や顎や舌に力を入れてないかを自覚、体得するだけで
方法はいくらでもあるのです。
(まぁこちらがべらっぼうに巨大な関門なんですけど。)
先程も申しました通り
どれだけ腹式呼吸ができていても
身体に力が入っていては
「わ!なんて我の強い頑固そうな声!」
と、私のパフォーマンスを聴いて聴いてと押しつけられるみたいな印象を
受けることも多々あるということなのです。
それは聴く側にとって、ある種の拷問ってものですよ、拷問。
実はこちらも学んでいる
閑話休題。
講師という職業は
生徒さんの長所を如何に見つけ伸ばせるか?
短所と向き合えること、気付くことがそもそも人間勉強且つ財産なんだよと
あたたかく提示できるか?
というところにかかってくると思っていて。
「うわぁぁぁぁ。生徒さんの人生に足、片っぽつっこんでしもとるやーん。」
と、毎回レッスンで状況を重んじたり
「今の教え方で生徒さんの良いとこ潰したらどないしょう。」
とかビクビク考えながら
見かけはクールな顔面でやっとるんですよ。
少なくとも自分は。
このニュアンスが伝わると幸いなのですが
空が反転して海みたく見えることもあるじゃないですか。
それと同様に
よく形成が逆転しているな
自分が教育することを育ててくれているな
と痛感することが多く、感謝の気持ちでいっぱいです。
あれですもん。
生徒さんが行う胸式呼吸や
感情的に強く声を出すことは
自分より天才的にうまいですからね。
勉強になりますもの、冗談抜きで。
えーしかしながら、
腹式呼吸に関しましては
自分の方がきっと出来ますので
操縦する喜びや
声の引き出しが増える楽しさを
これからも教えていく所存です。
読んでくださり
ありがとうございました。